September 20, 2017

[座談会/Interviews] 第1回 日本語ビジネスプレゼンテーションコンテスト

第1回日本語ビジネスプレゼンテーションコンテスト(2016年11月26日実施)の入賞者に集まっていただき、座談会を行いました。その記録です。

日時 : 2017年1月14日
場所: Atoz Language Centre

参加者:ロー イーシェン、リ ワンジン、チャンドゥル デベンドラム
Atoz: 西尾亜希子、金弘明(キム・ホンミョン)※記録

座談会 ビジネスプレゼンコンテスト 2017/1/14

座談会 ビジネスプレゼンコンテスト 2017/1/14

【日本語学習を始めた動機】

チャンドゥル:大学で始めました。エンジニアリング、電気工学を学んでいたので日本の会社で働くチャンスだと思い、就職のために始めました。勉強した期間は1年でインド系の先生でした。パナソニックに入ってから6年経ち、日本の大阪でパナソニックグループの人材育成のための学校に1年通うこととなりました。そこで集中的に日本語を学び、日本語を使って研修、工場での実習を行う経験を得ました。

ワンジン:もともとは日本の文化・言葉に関心はありませんでした。アメリカ留学中に知り合った日本人留学生と結婚することがきっかけで日本語を学ぶことになりました。結婚後日本に行って1年間日本語学校で学び、その後日本の不動産会社でインターン及び就職することになりました。

イーシェン:日本のアニメ・ドラマを見ることが学ぶきっかけとなりました。その内容をもっと理解したいという動機で14,5歳から自分で勉強を始めました。また高校では日本の高校と交換留学の制度があったので、一週間日本に行き、また日本から学生を受け入れました。高校時代は一週間に一度日本語を学び、日本への留学の準備をしました。日本ではまず日本語学校に入り、その後大学に進学しました。卒業後は日本の就職活動があわず、マレーシアの日系企業で働くことになりました。

【職場で活かされる日本語】

チャンドゥル:機械のメンテナンスだけでなく、複数のプロジェクトにもかかわっていて、日本人コーディネーターと話す機会があります。また日本人上司とは常に日本語で話します。日本の研修時、最後の1か月半は彦根にある工場で実習をしました。今もそのメンバーとコンタクトは取っています。日本との間では資材の調達などメールや電話で日本語でやりとりをしています。また、出張で日本から来る人の通訳もしています。

ワンジン:仕事(自営業・飲食店経営)で使うことはあまりありません。日本人のお客さんがいらっしゃるときには日本語で話しかけるようにしています。

イーシェン:英語から日本語への通訳など日常的に行っています。また3人いる日本人スタッフとは日本語で話しています。

【日本語の維持のために】

チャンドル デベンドラム

チャンドル デベンドラム

チャンドゥル:特にはしていませんが、コンビニなどで日本製品を見ると、その漢字から意味をいろいろ考えたりしています。

ワンジン:1年に2回夫の実家を訪ねるため日本に行きます。また子どもと夫が日本語で会話をするので、その中でコミュニケーションが取れるようにしています。

イーシェン:大学のテキストを時々読み返します。また好きな日本のグループの音楽を聴いています。

【ビジネスプレゼンコンテストの準備は?】

チャンドゥル:1か月ぐらい職場の上司のサポートを受けました。

リ ワンジン

リ ワンジン

ワンジン:しっかり時間をかけて練習をしました。原稿を何度も書き直しました。また店舗移動時に車の中で何度も練習しました。スライドは使いませんでした。マイクはコントロールが難しいので肉声でおこなうようにしました。

イーシェン:実は上司のサジェスチョンを受けて参加しました。原稿は一週間かけてつくり、一次予選を通過した知らせを受けてから、家で一生懸命練習しました。前日夜に上司のチェックを受け、家に戻ってさらに練習しました。日本語を直してもらうことで、自分の文法のまちがいなどに気が付くことができました。

【ビジネスプレゼンの意義】

にしお あきこ 西尾亜希子

にしお あきこ 西尾亜希子

西尾:今回が初めての試みとなりました。日本で働いていた人、あるいは学んでいた人に話す機会を作りたいという思いで始めました。
また日本語はできるけれどそれを活かす機会がなかった人に、日本語を使って働く機会を提供し、そのモチベーションを高めることを手伝いたいと思いました。また日本語を使って日々努力されているマレーシアの人の気持ちや気づきを日本人にとって理解する機会にもしたいと思いました。それらのことで、みんなが働きやすい環境づくりにつながることも願っていました。
書類審査(第一選考)が大変でした。応募された原稿の内容がとてもよく選ぶこと自体が難しい作業となったからです。また選ばれた方の本選のスピーチも大変に素晴らしかったです。会場に来ていた人も感銘を受けていた様子がうかがえました。今後もこのコンテストを広く呼びかけたいと思います。

【ビジネスプレゼンへのアドバイスや感想は】

チャンドゥル:コンテストはとてもよかったと思います。今回が最初なのでこれから大きくなればいいと思います。他の人のスピーチも面白く聞きました。ただ来年2回目はスピーチのテーマをもう少し絞ったらいいのではと思いました。わたし自身は機械のメンテナンスについて話しましたが、いらっしゃった方全員にはこの内容は伝わらないと思いました。

ワンジン:コンテストの進行はよかったと思います。ただ、どんな人たちが聞きに来るか前もってわかっていたらよかったと思います。たとえば、日本人には説明しなくてもわかることでも、マレーシア人の参加者が多ければもう少し日本の会社の文化を詳しく説明するなど理解を深める工夫ができたかもしれないと思ったからです。

ロー イーシェン

ロー イーシェン

イーシェン:みなさんのレベルが高くてびっくりしました。わたし自身はプレゼンテーションの準備不足だったように思います。ただ演壇に立っただけで賞をもらったような気がして申し訳なく思いました。実はテーマを絞るまでにずいぶん迷いました。もう少し、コンテストのテーマの範囲を絞ったほうが良いのではないかと思いました。

【入賞して会社での反応は?】

チャンドゥル:社長の耳まで届き、月1回の全体社内集会(600名)で表彰されました。社内でリクエストを受けて何度かスピーチの内容を披露しました。

ワンジン:夫と二人で翌日食事会をしました。

イーシェン:上司がごはんをおごってくれました。

【今後の応募者へのアドバイス】

チャンドゥル:正しい日本語を話すこともポイントの一つですが、話す内容も大切だと思います。

ワンジン:間違いを恐れず、勇気をもって話した方がいいと思います。文化的なことで失礼な発言になることが心配だったら、先に「失礼なことを言うかもしれない」と断ったうえで、自身が言いたいことを言うのが大切だと思います。

イーシェン:大学の時はミスが怖かったので話すことが苦手でした。しかし、今はそのことをとても後悔しています。自分から積極的に話せば相手も心を開いてくれますし、距離も近くなると思います。

イーシェン:参加すること自体が大変よい経験になりました。

ワンジン:仕事が忙しく、最初は参加しないことにしていましたが、こんないい機会はないと思い直し、参加することにしました。すばらしい機会でした。

チャンドゥル:自分にとって良かったのはスピーチの原稿を直したりチェックを受ける過程で日本人スタッフと普段考えられなかったコミュニケーションをとることになったことです。それはコンテストが終わった後も良いつながりとなっています。

西尾:いろんなチャンスがあっても、参加するかどうかはその人次第になります。このビジネスコンテストが、参加すること自体でその人にとって良い経験となることを願っています。これからも続けたいと思っています。